永住権申請者の「家族」の在留ビザガイド:注意点と手続き
永住申請を考えている方、家族の在留資格はどうなるか気になりますよね。永住権を取得すると、家族の状況も変わります。配偶者や子供、さらには祖父母まで、それぞれの立場で必要な手続きや注意点があります。
この記事では、永住申請者の家族が知っておくべき在留資格の変更点と手続きについて、分かりやすく解説します。
家族みんなどうなるの?永住申請時の在留資格
永住申請をする際、家族の在留資格はどうするのがベストでしょうか。
夫婦で申請、片方だけ申請、どっちがいい?
永住権の申請を考えるとき、夫婦でまとめて申請するか、片方だけ申請するか迷うことがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
特徴 | ・本体者(主たる申請者)が許可を得られる見込みがある場合、その配偶者も同時に永住許可申請が可能 ・本体者が許可を得られれば、配偶者も同時に永住許可を得られる可能性が高い ・同時に申請することで、家族全体の将来設計がしやすくなる ・手続きを一度にまとめて行える |
メリット | ・家族全員の在留資格を一度に安定させることができる ・配偶者が「家族滞在」などの在留資格の場合、「永住者の配偶者等」への変更手続きを省略できる |
デメリット | ・申請費用が2人分かかる ・本体者が不許可になった場合、配偶者も不許可になる |
注意点 | ・同時に申請しても、許可のタイミングや結果が異なる可能性がある ・両方の申請が許可されるまでは、現在の在留資格の更新も必要になる ・本体者の永住許可の見込みが高いことが、配偶者の同時申請の前提となる |
片方だけ申請する場合
特徴 | ・要件を満たしている申請者のみが申請する |
メリット | ・申請費用を抑えられる |
デメリット | ・配偶者が「家族滞在」などの在留VISAの場合、申請者が永住になることでいったん「永住者の配偶者等」などの在留VISAに変更する必要がある ・「永住者の配偶者等」に変更後、ある程度の期間が経過しないと永住申請ができない |
どちらを選ぶかは、家族の状況、将来の計画、それぞれの永住許可の条件を満たす度合い、そしてリスクをどこまで受け入れられるかによって変わります。
同時に申請して許可が出ればとても効率的ですが、順番に申請することで不許可時のリスクを減らすこともできます。
配偶者の選択肢、何がベスト?メリット・デメリット比較
永住権取得後、配偶者には主に3つの選択肢があります。
配偶者の在留資格 | メリット | デメリット |
「永住者の配偶者等」へ変更 | ・在留期間が長く、就労制限なし ・永住権取得要件が緩和 | ・配偶者関係の継続が必要 ・離婚時にリスクあり |
現在の在留資格維持 | ・自身のキャリアに基づく在留が可能 ・独立した立場を維持 | ・在留期間更新が必要 ・就労制限の可能性あり |
永住権の申請 | ・最も安定した在留資格 ・就労制限なし | ・申請要件が厳しい ・手続きに時間と費用がかかる |
何がベストか最適な選択はそれぞれ個々の状況により変わり異なります。本人と配偶者がどれだけ永住許可の条件を満たしているか、家族の将来計画、そしてリスクへの対応方針を全体的に考えて、自分たちの状況にあったベストな方法を決めることが大切です。
子どもの未来を守る!在留資格で気をつけること
子どもの在留資格は、将来の選択肢に大きく影響します。ここでは、子どもの年齢や状況に応じた在留資格の選び方や注意点を解説します。
子どもの在留VISA、自動で変わる?
親が永住権を取得しても、子どもの在留資格は自動的には変わりません。ただし、子どもの状況に応じて適切な在留資格への変更が可能です。
未成年の子ども | ・「永住者の配偶者等」資格への変更が可能 ・長期在留の場合、「永住者」や「定住者」資格も検討できる |
成人の子ども | ・親の永住権取得と直接連動しない ・自身で適切な在留資格を選択する必要がある |
子どもの年齢や状況によって最適な選択肢が異なるため、個別の検討が必要です。では具体的にどのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。
子どもの在留資格はどうなる?年齢別チェックポイント
永住申請をするとき、子どもの在留資格についても考える必要があります。子どもの年齢によって、状況が変わってくるので、年齢別にチェックポイントを見ていきましょう。
年齢 | チェックポイント |
未就学児 小中学生 (0〜15歳) | ・親の永住許可取得後、子どもは「永住者の配偶者等」VISAへ変更する必要がある ・親が永住許可を得られる見込みがある場合、子どもも同時に永住許可申請が可能 |
高校生 (16〜18歳) | ・親の永住許可取得後、子どもは「永住者の配偶者等」or「定住者」VISAへの変更を検討できる ・日本の高校を卒業見込みの場合、将来の進路に応じた在留資格の選択が重要になる |
大学生以上 (19歳〜) | ・成人しているため、親の永住許可とは連動しない ・自身で「定住者」の在留資格を申請するか、他の在留VISA(例:「留学」「技術・人文知識・国際業務」など)を選択する必要がある |
子どもの在留資格は、親の永住申請結果だけでなく、子ども自身の状況(学歴、就労状況など)によっても変わってきます。特に、高校生以上の子どもの場合は、将来の進路や就職も考慮に入れて在留資格を選ぶことが大切です。
また、未成年の子どもの永住許可申請の場合、かつ親が永住許可を得る見込みが高い場合、親と一緒に行うことができます。ただし、子どもが成人している場合は、親の永住許可と関係なく、独自に永住許可の要件を満たす必要があります。
就職、進学…子どもの夢を叶える在留資格の選び方
子どもの夢を見据えて在留VISAをどうするかを考えましょう。
- 将来の目標を明確にする
- 就職希望なら業界や職種を具体的に考える
- 必要なスキルを身につける
- 日本語能力の向上(JLPT N2以上が望ましい)
- 専門知識や資格の取得
- 在留資格の特徴を理解する
- 就労可能な範囲や在留期間の違いを把握
- 資格変更の難しさを考慮
- 長期的な視点を持つ
- 初期の在留資格から将来の永住許可までのプランを立てる
- 情報収集と相談
- 入管のガイドラインや最新情報をチェック
- 学校の留学生課や専門家に相談
家族を呼び寄せたい!永住後にできること
永住権を取得した後、多くの方が家族の呼び寄せを考えます。
どんな家族なら呼べる?条件チェック
永住者が呼び寄せられる家族の範囲と条件は以下の通りです。
対象家族 | 条件 |
配偶者 | ・法的に有効な婚姻関係があること ・生計を維持できる経済力があること |
未成年の子供 | ・18歳未満であること ・未婚であること |
両親 | ・原則として呼び寄せは困難 ・特別な事情(要介護状態など)がある場合のみ検討可能 |
その他の親族 | ・兄弟姉妹や祖父母の呼び寄せは原則として認められない ・個別の在留資格(就労、留学など)で来日する必要がある |
呼び寄せには、十分な収入や住居の確保など、受け入れ側の条件も重要です。また、呼び寄せる家族の年齢や状況によって必要書類や手続きが変わってきます。
祖父母とは同居できるか
永住申請を考える際、祖父母との同居は難しいケースがほとんどです。基本的な考え方として、日本の入管法では、祖父母の呼び寄せは原則として認められていません。ただし、特別な事情がある場合はごく例外的に認められることがあります。
かなり難しいケースとなるため実際に呼び寄せを考える際は、専門家のアドバイスを仰ぎながら慎重に検討する必要があります。
永住者の配偶者、知っておきたい特別なこと
永住者の配偶者には、特別な在留資格や権利があります。
「永住者の配偶者等」メリットは?
「永住者の配偶者等」の在留資格には、いくつかのメリットがあります。
- 就労制限がない
- 在留期間が比較的長い(6ヶ月、1年、3年、5年)
- 永住許可申請の要件が緩和されることがある
永住者の配偶者が注意すべきポイント
永住者の配偶者は、以下の点に特に注意が必要です。
- 在留カードの更新:期限切れに注意し、必ず更新手続きを行う
- 住所変更の届出:引っ越し時は14日以内に新住所を届け出る
- 就労状況の変化:就労制限はないが、長期の無職状態は避ける
- 婚姻関係の維持:離婚や別居は在留資格に影響する可能性がある
- 永住許可申請の検討:条件を満たせば、自身の永住許可申請も考慮する
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
この在留資格は永住者との婚姻関係が継続していることが前提です。離婚や死別の場合は在留資格の変更が必要になります。
なお、離婚時の在留VISAについては下記にて詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
配偶者が永住権を取るまでの道のり、ここが大切!
永住者の配偶者が自身も永住権を取得するまでの重要なポイントは以下の通りです。
在留期間 | ・原則として3年以上婚姻関係を継続していること ・うち1年以上は日本に居住していること |
素行要件 | ・法令を遵守し、税金や社会保険料を適切に納付 |
生計維持能力 | ・安定した収入や資産があることを示す |
日本語能力 | ・日常会話レベル以上の日本語力が求められる |
必要書類の準備 | ・各種証明書類を計画的に集める |
永住許可申請は個別審査のため、上記以外の要素も考慮されます。早めの情報収集と計画的な準備が大切です。
より詳しい説明は下記をご覧ください。
みんなが知りたい!よくある質問(FAQ)
Q1:永住申請すれば、在留VISAの更新申請は必要ない?
A:いいえ。永住申請していても、在留VISAの期限が切れてしまった時点で不法滞在になってしまいます。これは他の在留VISAへの変更時と大きく違う点です。
永住申請する際も、必ず現在の在留VISAの期限についてはチェックのうえ、期限が2か月以内に来てしまうようなら更新申請もしましょう。
Q2:永住者の子どもは自動的に日本国籍を取得できる?
A:いいえ。日本国籍の取得には別途手続きが必要です。両親のどちらかが日本国籍者でない限り、出生による自動取得はできません。
Q3:永住後に国際結婚した場合、配偶者の在留資格は?
A:通常、「日本人の配偶者等」ではなく「永住者の配偶者等」の在留資格を申請することになります。
これで安心!家族みんなの永住生活スタートアップガイド
永住申請は、配偶者や子どもの在留資格選択、家族呼び寄せの条件、更新と申請のタイミングなど、さまざまな重要ポイントがあります。家族の状況に応じた適切な対応が鍵です。
永住権獲得までの道のりは複雑ですが、家族全員の安定した未来につながります。わからないことや不安な点がある場合は、いつでもCoco行政書士オフィスにご相談ください。
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料金について
当事務所では明瞭で分かりやすい料金体系を採用しております。
※2024年中にご依頼いただいた場合の特別割引価格です。
不許可の場合⇒2回まで無料で再申請
3回目も不許可⇒着手金を全額返金
ご依頼内容 | 現在の料金 |
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在留資格認定証明書/変更(一律) | 55,000円 |
在留資格更新(一律) | 44,000円 |
永住許可申請 | 88,000円 |
帰化許可申請 | 126,500円 |
特定技能VISA(新規・変更) | 88,000円 |
特定技能VISA(更新) | 49,500円 |
在留資格取得 | 19,800円 |
資格外活動/就労資格証明書 | 11,000円 |
再入国許可申請 | 16,500円 |
※永住や家族滞在など、在留資格によっては二人目以降は半額。
※転職や離婚&再婚後など大幅に変更のある更新については、変更と同じ料金となります。
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