法的リスクを避ける!在留カード確認方法完全ガイド
法的リスクを避ける!在留カード確認方法完全ガイド
外国人雇用の第一歩、在留カードの確認を正しく行えていますか?本記事では、偽造カードの見抜き方、確認時の落とし穴など、外国人雇用の実務において注意すべき問題を解説します。
在留カード確認の重要性と基礎知識
外国人雇用において、在留カードの確認は単なる手続きではありません。法令遵守はもちろん、適切な人材管理の第一歩となる重要な過程です。まずは、在留カードの基本を押さえておく必要があります。
在留カードとは何か – 概要と記載事項
在留カードは、日本に中長期間滞在する外国人に交付される身分証明書です。
特徴
- ICチップ搭載のカード型
- 偽造防止技術を使用
- 原則として常時携帯義務あり
表面 | ・氏名、生年月日、性別 ・国籍 ・在留資格、在留期間 ・顔写真、証明書番号 |
裏面 | ・就労制限の有無 ・地域資格外活動許可の有無 ・各種届出事項 |
在留カードの確認時は、これらの情報が明確に記載されているか、また、その内容(在留資格)が採用予定の職務と合致しているかを慎重に確認することが重要です。
在留カード確認を怠った場合のリスクと罰則
在留カードの確認は法的義務であり、怠った場合には深刻な問題を引き起こすおそれがあります
- 法的リスク
- 不法就労助長罪に問われる可能性大
- 個人の場合:最高で3年以下の懲役または300万円以下の罰金(両方が科されるケースも)
- 法人の場合:3000万円以下の罰金
- 企業イメージへリスク
- 社会的信用の失墜
- 取引先との関係悪化
- 経営上リスク
- 行政処分(改善命令、事業停止など)
- 採用や人材育成コストの無駄
在留カードを適切に確認することで、上記のようなリスクを回避し、安定した外国人雇用を実現します。確認作業を軽視せず、慎重に行うことが求められます。
在留カードの確認手順 – 段階的ガイド
在留カードの確認を確実に行うためには、段階的なアプローチが効果的です。
確認すべき項目とそのポイント
在留カードの確認は、以下の手順で行います。
確認項目 | チェックポイント |
サイズ | 縦86mm×横54mm(クレジットカードサイズ) |
素材 | プラスチック製、ICチップ搭載 |
色 | 在留カードは淡い黄緑色(特別永住者証明書は色が異なる) |
② 記載事項の確認
確認項目 | チェックポイント |
氏名 | 綴りが正しいか(パスポートと一致しているか) |
生年月日 | 年齢制限のある在留資格の場合、適格か |
性別 | 記載内容に相違がないか |
国籍・地域 | 採用予定の国籍と一致しているか |
顔写真 | 本人と一致しているか、最新のものか |
在留資格 | 従事予定の業務に適合しているか |
在留期間 | 現在有効か、期限が十分にあるか |
就労制限の有無 | 業務内容や勤務時間に制限がないか |
在留期間と在留資格の確認方法
在留期間と在留資格の確認は、外国人雇用において特に重要です。
- 在留期間の確認
- 有効期限が切れていないか
- 採用予定期間をカバーしているか
- 更新が必要な場合、更新手続きの時期を確認
- 在留資格の確認
- 予定業務との整合性
- 「技術・人文知識・国際業務」:専門的な職種
- 「特定技能」:特定の産業分野での就労
- 「留学」:資格外活動許可の範囲内での就労(週28時間以内)
- 資格外活動許可の有無と範囲
- 就労制限の詳細(裏面に記載)
- 予定業務との整合性
- 注意点
- 在留資格の変更が必要な場合は、入国管理局での手続きが必要
- 在留期間更新の際は、更新申請中であることを示す書類の確認も必要
在留カードを確認することは、単なるチェックリストの消化ではありません。各項目の意味を理解し、採用予定の業務との整合性を常に意識しながら行うことが重要です。不明点がある場合は、早めに専門家や行政書士に相談することをおすすめします。
なお、Coco行政書士オフィスでも在留カードに関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。
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偽造在留カードの見分け方と対処法
偽造在留カードの発見は、不法就労の防止と企業のリスク管理において極めて重要です。正規のカードと偽造カードの見分け方を知り、適切に対応することが求められます。
カードが本物かどうか識別が可能なアプリ
「在留カード等読取アプリケーション」というアプリで、在留カードを簡単に読み込むことができます。
アプリで読み込むと、下記画像のようにすぐに在留カードが本物かどうかが分かるようになっています。
採用前の面接の段階で在留カードを読み込ませてもらうなどの対策を取ることで、偽造在留カードを持っている不法滞在者を雇用してしまうケースを防ぐことができます。
アプリの詳細は法務省のHPから確認が可能です。
偽造カードを発見した場合の適切な対応
偽造在留カードを発見した場合、冷静かつ適切な対応が求められます。
- その場での対応
- 落ち着いて対応し、相手を刺激しないよう注意
- カードを預かったり、強引に取り上げたりしない
- 可能であれば、同僚や上司に同席してもらう
- 確認と記録
- 不審な点を具体的にメモする
- 本人の言動や態度も観察し、記録する
- 報告と相談
- 即座に会社の責任者に報告
- 最寄りの入国管理局または警察署に相談
- 必要に応じて、顧問弁護士や行政書士にも相談
- 採用の判断
- 偽造の疑いが強い場合は、採用を見送る
- 本人に対しては、確認中であることを伝え、結果は後日連絡すると説明
- 再発防止策
- 社内の確認体制を見直し、必要に応じて研修を実施
- 採用プロセスの各段階で、在留資格の確認を徹底
偽造在留カードの発見は、単に一企業の問題ではなく、社会全体の治安や労働環境に関わる重要な問題です。疑わしい点を発見した場合は、個人で判断せず、専門家や行政機関に相談することが賢明です。適切な対応が、会社と社会を守ることにつながります。
在留カード確認時の注意点と法的要件
在留カードの確認は、単なる形式的な手続きではありません。法令遵守と適切な雇用管理の両立を図るため、確認時の注意点と法的要件を十分に理解することが不可欠です。
確認時のNGな行為・ベストな対応とは
在留カード確認時には、以下の点に特に注意が必要です。
- NGな行為
- カードの預かり
- 在留カードの預かりは法律で禁止されている(例外:行政書士)
- 過度のコピー
- 必要以上のコピーは個人情報保護の観点から問題あり
- 差別的な扱い
- 特定の国籍や民族を理由とした不当な扱いは禁止されている
- カードの預かり
- ベストな対応
- 本人確認の徹底
- カードの所持者が本人であることを写真で確認
- 有効期限の管理
- 在留期間満了日を社内システムで管理し、更新時期を事前通知
- 定期的な確認
- 半年に1回程度、在留カードの提示を求め、最新情報を確認
- プライバシーへの配慮
- 確認は個室で行い、他の従業員の目に触れないよう配慮
- 本人確認の徹底
雇用状況の届出と雇用管理の義務
外国人を雇用する企業には、以下の法的義務があります。
- 雇用状況の届出
- 雇入れ・離職の際:事由発生から14日以内にハローワークに届出
- 届出内容:氏名、在留資格、在留期間等
- 注意点:届出を怠ると30万円以下の罰金
- 雇用管理の義務
- 労働関係法令の遵守:労働基準法、最低賃金法等の順守
- 適切な雇用環境の確保:言語サポート、文化理解促進等
- 社会保険の適用:健康保険、厚生年金等への適切な加入
- 在留資格の確認と管理
- 出入国管理局への届出:雇用時(転職時)に提出
※必須かどうかは在留資格による - 定期的な在留カードの確認:少なくとも年1回
- 在留期間更新の支援:必要に応じて更新手続きをサポート
- 資格外活動の把握:許可の有無と就労時間の管理
- 出入国管理局への届出:雇用時(転職時)に提出
- 記録の保管
- 在留カードのコピー:採用時及び更新時に取得し、退職後3年間保管
- 雇用契約書:内容を確認し、適切に保管
- 労働条件通知書:外国語版の作成も検討
適切な在留カード確認と雇用管理は、外国人材の安定した就労環境を整えるだけでなく、企業のコンプライアンス遵守にも直結します。特に在留資格に関することは、雇用者の資格によっても詳細がかなり異なるため、判断が難しい部分も。
不明点がある場合は、行政書士や社労士などの専門家に相談し、適切な対応を取ることが重要です。
まとめ:適切な在留カード確認で実現する安全な外国人雇用
在留カードの適切な確認は、外国人雇用における基本かつ重要な手続きです。これまでにご紹介した確認方法や注意点を実践することで、法律を順守しつつ、外国人材の力を十分に活かせるはずです。
しかし、在留資格や雇用管理に関する法規制はかなり複雑で、頻繁に改正されることもあります。そのため、不明点や疑問がある場合は、行政書士に相談することをおすすめします。
Coco行政書士オフィスでは、外国人雇用に関する様々な相談に対応し、企業の皆様の適切な雇用管理をサポートいたします。ぜひ行政書士の力をご活用ください。
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料金について
当事務所では明瞭で分かりやすい料金体系を採用しております。
※2024年中にご依頼いただいた場合の特別割引価格です。
不許可の場合⇒2回まで無料で再申請
3回目も不許可⇒着手金を全額返金
ご依頼内容 | 現在の料金 |
---|---|
在留資格認定証明書/変更(一律) | 55,000円 |
在留資格更新(一律) | 44,000円 |
永住許可申請 | 88,000円 |
帰化許可申請 | 126,500円 |
特定技能VISA(新規・変更) | 88,000円 |
特定技能VISA(更新) | 49,500円 |
在留資格取得 | 19,800円 |
資格外活動/就労資格証明書 | 11,000円 |
再入国許可申請 | 16,500円 |
※永住や家族滞在など、在留資格によっては二人目以降は半額。
※転職や離婚&再婚後など大幅に変更のある更新については、変更と同じ料金となります。
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