コロナ禍以降で増加するリモート案件、業務委託契約で見落としがちなポイントとは?

コロナ禍を経て、オフィスに集まらずに仕事を進める「リモートワーク」が当たり前になりました。それにともなって、業務委託契約も「オンライン前提」で交わすケースが急増しています。物理的に顔を合わせないからこそ、契約書の内容をより丁寧に詰めておかないと、あとになってトラブルが発覚したり、想定外のコストが生じたりしがちです。
リモートでの業務委託は、雑談や対面ミーティングから得られる“暗黙の了解”が少ない分、契約内容をはっきり書面に落とし込む必要があります。以下では、そうしたリモート案件における契約書作成のコツと、気をつけておきたい注意点を具体的に解説します。
契約書作成のコツ
1. 進捗管理やコミュニケーションの仕組みを条文化する
オフィスにいれば、「隣の席でちょっと声をかけて確認」みたいなことが簡単にできますが、リモートだとそうはいきません。そこでまず重要なのが、進捗管理とコミュニケーションの頻度・方法を契約書に明記することです。
- 定例ミーティングの日時や頻度
たとえば「週1回、オンライン会議システムで30分~1時間の進捗確認を行う」と具体的に書いておくと、お互いスケジュールを合わせやすくなります。 - 報告書や議事録の提出義務
ミーティング後に簡単な議事録を発注者・受託者双方で共有するようにしておけば、「言った・言わない」の食い違いが減らせます。 - 使用ツールの指定
「主な連絡はチャットツール(例:Slack)で行う」「メールは原則48時間以内に返信する」など、リモートならではのルールを取り決めると進捗把握がスムーズです。
2. オンライン会議で合意した事項をどう書面化するか
リモート環境だと、口頭ベースでサクサク話がまとまりやすい反面、その場しのぎの合意が後から問題になることもしばしばあります。オンライン会議で決定した重要事項をどうやって契約書や覚書に反映させるか、あらかじめプロセスを決めておきましょう。
- 「合意事項は必ず議事録に落とし込む」ルール
オンライン会議後、担当者が議事録を作成して全員へ送付。その上で「内容に問題がなければ返信する」「修正点があれば指摘する」フローを意識しましょう。 - 電子契約サービスとの併用
追加の要件や修正が生じた場合、電子契約サービスで簡易的に覚書を発行して署名し合うやり方もあります。物理的に会わなくても合意を即時に「形」に残せるので、リモート案件との相性は抜群です。
3. セキュリティ・作業環境の取り決め
リモートで業務を進める場合、自宅やカフェなど、不特定の場所で作業する可能性があります。そこで抜け落ちがちなのが、情報漏えい防止策やセキュリティ要件に関する取り決めです。
- 秘密保持契約(NDA)の強化
業務委託契約書とあわせて、NDAで取り扱う情報の範囲や違反時の責任を明確化しておきます。特に顧客データや技術情報を扱う案件は要注意です。 - 使用デバイスのルール化
「作業端末は必ずパスワード保護された個人PCを使う」「共有端末での作業は禁止」「Wi-FiはVPN経由で接続」といった条件を契約書や付随文書に落とし込むことも検討しましょう。 - セキュリティ事故が起きた場合の対応
もし情報が漏えいしてしまったら、誰がどの責任を負うのか、どのように被害を最小限に留めるのかを取り決めておくと、いざというときに慌てず対処できます。
4. 成果物や納品条件の明確化
リモート案件は対面ほど細かいすり合わせが難しいぶん、成果物の仕様や納品の条件を事前にしっかり文章化しておく必要があります。「完成形をどう定義するか」「追加作業が必要になった場合の費用はどうするか」を曖昧にすると、後からトラブル化しやすいです。
- 納品物の範囲・品質基準
「プログラム開発ならどの機能まで実装するのか」「デザイン制作なら何点まで納品するのか」など、具体的に書きましょう。 - 修正回数や追加作業の扱い
「修正は○回までは無料。それ以上は別料金」といったルールを定めておくと、余計なコスト負担を防ぎやすいです。 - 中間成果物のチェックポイント
納品前にプロトタイプやサンプルを共有することで、最終的な出来上がりのズレを減らせます。リモートでやるからこそ、小刻みなレビューが重要です。
5. 電子契約や電子サインを活用しよう
リモート下での契約手続きを効率化するには、電子契約や電子サインを導入するのがベストです。郵送や押印のやり取りが不要になり、特に離れた地域や海外の契約相手とでもすぐに締結できるメリットがあります。
ただし契約相手が海外の場合、相手国の法制度や、サービスごとの認証方式に違いがあるので、事前に詳細を確認しましょう。
見落としがちな注意点
1. 口頭ベースの合意だけで作業が進んでしまう
リモート会議やチャットで「じゃあ追加費用ナシでお願いできますか?」と話が進んでしまい、正式な契約書に載っていないケース。あとから揉める元なので、必ず書面(議事録や覚書)で残すことを習慣化しましょう。
2. 「相手の状況が見えない」まま契約を結ぶ
オンラインだけで案件を進めていると、受託者の実力や実際の作業状況が把握しにくいのは事実。契約前に過去の実績やポートフォリオを確認する、可能ならビデオ会議を何度か実施するなど、できるだけコミュニケーションを密にしておくと安全です。
3. セキュリティ要件を軽視する
自宅PCや公共のWi-Fiを使うリスクを甘く見て、NDAやセキュリティ条項をざっくりしか決めないまま契約を進めてしまう例も散見されます。情報保護の観点から、具体的なルールづくりは必須です。
まとめ
リモートで業務委託契約を結ぶ場合、対面でのやり取りに比べて「すれ違い」や「口頭合意だけで作業を始めてしまう」リスクが大きくなります。契約書作成では、進捗管理の方法、セキュリティ要件、オンライン会議での合意事項の扱い、そして成果物の定義などを、いつも以上に緻密にすり合わせましょう。
特に「何がどこまで無料で、どこから追加料金が発生するのか」「口頭で合意した内容はどう書面化するのか」といった細部は、後々のトラブルを左右する重要なポイントです。電子契約を使えば、物理的な距離を超えてスピーディに締結できる反面、電子署名の法的効力やセキュリティ面をきちんと理解しておく必要があります。
リモートワークが定着した今だからこそ、契約書をしっかり整備しておけば、後から発生しうる煩わしい問題を大幅に減らすことができます。ぜひこの機会に自社や自身の契約フローを見直し、リモート案件でも安心してビジネスを進められる体制を整えてみてください。
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