作成のコツ

【発注担当向け】業務委託契約書で押さえるべきポイントと外注トラブル回避術

wistaria17

「自社リソースが足りないから業務を外部に頼みたい」「専門スキルを活用したいから、フリーランスや他社へ委託したい」――そんな場面で便利なのが業務委託契約です。発注する側からすると、人材コストを大きく削減できる一方で、想定外のトラブルが起こりやすいのも事実。


私自身、企業のご担当者さまから「納品物が想定と全然違う!」「いつの間にか追加費用がかさんで困っている…」といった嘆きを何度も聞いてきました。その多くは、実は業務委託契約書の作り込みや、外注先とのコミュニケーション不足から生じていることが多いのです。

この記事では、発注担当者の目線で、業務委託契約書を作るときに必ず押さえておきたいポイントや、外注でありがちなトラブル事例、そしてそれを未然に防ぐための対策を詳しく解説していきます。どれも大切なノウハウなので、ぜひ最後まで読んでみてください。

業務委託契約の基本:外注トラブルはなぜ起こるのか?

まず、業務委託契約は「指示・命令をする雇用契約」でも「相手を派遣させる労働契約」でもなく、あくまで「業務の成果や完成物を納品すること」を前提とした契約形態です。
一見、発注書さえ出せばスムーズに進むように思えますが、外注先との意思疎通が不十分だと、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。

  1. 納期遅延:納期が曖昧だったり、途中の進捗確認が不十分だったりすると、いつの間にかプロジェクトが大幅に遅れてしまう。
  2. 品質の問題:想像していたクオリティと出来上がりの差が激しく、修正作業に手間とコストがかかってしまう。
  3. 情報漏えい:外部パートナーへ機密情報を渡す必要がある場合、取り扱いがずさんだと社外に漏れるリスクが高まる。
  4. 追加費用の発生:後から仕様が変わったり、曖昧な要件をそのままスタートした結果、「予算が倍以上かかった…」なんてことも。

こうしたトラブルを防ぐカギは、契約書にちゃんとルールを定めることと、外注先との連絡を密にしておくこと。この二つを怠ると、後々思わぬ痛手を被りかねません。あなたの企業が大切な時間や予算を無駄にしないためにも、次に紹介するチェックポイントをぜひ参考にしてください。

業務委託契約書で押さえたい主要ポイント

1. 業務範囲と成果物の定義を明確にする

「どんな仕事を、どこまでやってもらうのか」「どの状態になったら“完成”とみなすのか」を具体的に書いておかないと、追加作業のお願いをするたびに「それは契約範囲外です」と言われてしまう可能性があります。


特にシステム開発やデザイン制作などは要件定義があやふやだと、どんどん仕様が膨らんで費用も納期も倍増…というケースがとても多いです。完成度の指標までを含めて書いておくと安心でしょう。

2. 納期と進捗管理のルールを設定する

業務委託契約では「○月○日に納品する」といった最終納期だけでなく、中間報告のタイミングやプロトタイプの提出時期も契約書に盛り込んでおくと、納期遅延を防ぎやすくなります。


たとえば、「3月末までに仕様のすり合わせ」「4月初めに試作品チェック」「5月末に最終納品」といった大まかなマイルストーンを設けるだけでも、双方が仕事の進捗を意識しやすくなるはずです。もし遅れが生じた場合のペナルティや契約解除の条件などを決めておくと、よりリスクヘッジにつながります。

3. 報酬と支払い条件を具体的に決める

「固定額で一括払い」にするのか、「段階的に支払うのか」、または「成果報酬型」にするのか。支払い条件は契約書の重要な部分です。


さらに、追加費用が発生するケースをどこまで想定しているかも明記しておきましょう。たとえば「大幅な仕様変更を依頼する際は別途見積りを行う」「契約後に追加が発生した機能については1件いくらで対応する」など、トラブルを未然に防ぐルールを決めておくと、後々楽になります。

4. 機密保持・情報漏えいの防止策

業務を委託する際、社内のノウハウや顧客情報などを外部パートナーに共有することは少なくありません。そのため、秘密保持契約(NDA)をどう扱うかがとても大切です。


「どの情報を外部に公開してはいけないのか」「契約終了後はその情報をどう取り扱うのか」など、具体的に記載した条項を入れておかないと、最悪の場合、情報が流出してしまい、大きなダメージを受ける恐れがあります。

5. 知的財産権・成果物の権利帰属

Webサイトやプログラム、クリエイティブなデザインを依頼するなら、知的財産権の帰属先をしっかり決めておきましょう。納品した時点で発注者側がすべての権利を得るのか、それとも著作者人格権を制限するだけなのか――この辺りは業務の種類によって取り扱いが異なります。


後から「ロゴの二次利用って勝手にできるの?」「このプログラムの改変は誰に権利があるの?」と悩むより、契約時にきっちり話し合っておくのがベストです。

6. 契約期間と解除条項

「いつからいつまで業務を委託するのか」「中途解約したいときはどうするのか」といった基本的な期間設定も忘れてはいけません。


長期契約の場合、想定外の事情が生じても途中解約が難しいことがありますし、自動更新の条項があると、気づかないうちに契約期間が延長されてしまうケースも。もしもの時に備えて、契約解除の条件や手続きも明文化しておくとよいでしょう。

トラブル回避のためのコミュニケーション術

契約書だけではカバーしきれない部分を補うのが、こまめなコミュニケーションです。特に以下の点は、ぜひ実務に取り入れてみてください。

  1. 定期的な進捗報告を義務付ける
    週次や月次の打ち合わせを設定し、「どこまで進んでいるか」「次の課題は何か」を共有しておくと、早めに軌道修正ができて安心です。
  2. 認識のズレを小さい段階で修正
    プロトタイプやデザインカンプの段階でお互いのイメージをすり合わせておけば、「完成形が全然違う…」という悲劇を回避できます。
  3. AIは便利だが、盲信しない
    最近はAIツールで契約書の雛形を作成する方も増えていますが、法改正や業種固有の慣習などがきちんと反映されているとは限りません。あくまで“下書き”として活用し、人の目による最終チェックを忘れないことが大事です。

まとめ:契約書の作り込み+コミュニケーションでリスクを最小化

外注を上手に活用することで、自社リソースを節約しながら専門的な成果物を手にすることができます。しかしその分、想定外のトラブルが発生しやすいのも事実。だからこそ、「契約書でルールを明確にする」「外注先とこまめに連絡を取り合う」という二本柱が欠かせません。


社内で関係部署の意見を聞きながら、ぜひより良い業務委託契約書を作り上げてください。ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、そのひと手間が大きなトラブルを防ぎ、結果的に大きなコスト削減や信頼性の向上につながります。

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